白血病の自分と病気を通して学んだ事と子どもの誕生について
白血病の話
5年前くらいの冬に健康診断があった。
いつものように、肝臓が悪いとか、もうちょっと運動してくださいとか言われるんだろうと別にいつもの日常がいつものように訪れると思っていた。
健康診断自体は普通に終わって、結果は2週間くらいあとに郵送されてきた。
総合結果のところに「F」精密検査が必要ですと書かれていて、それでも軽く考えていてまあそのうち病院に行くかと思っていたくらいだった。
一ヶ月くらいたったあとに病院に行くと、ざわざわとして白血球が高いことはあっても、LDHも高いと言うのは珍しい、すぐに専門医に見てもらったほうがいいことを伝えられた。
そこではじめて事の重大さを理解して、ググってみた。
「LDH 高い」で見るとああ、ろくな病気じゃねえって思ったな。
http://www.e-kenkou21.or.jp/guidance/guidance02/guidance02_set05/guidance02_20
専門医の先生に見てもらうと、ほぼCML、慢性骨髄性白血病だよと言われて今はいい薬があるから大丈夫って言われたことは覚えている。
その後は確定診断をするためにマルクという骨髄穿刺をして確定に至った。
治療は先生の言うとおり薬を飲めばいいだけで楽なんだけど、一つ問題があって薬を飲むと精子に影響が出るかもしれないと言うこと。
それを聞いたので山王病院に精子凍結しにいって、治療がある程度終わってから不妊治療をやろうという事になった。
その後は入院しながら治療していって無事に寛解に至り、不妊治療を行って長女と長男を授かるというのが最近。
白血病になって思った事
- 自分の気持ちを理解してもらう事なんて無理
- 原因なんて無くても誰もが簡単に不幸になる
- 生きてるうちにやるべき事って何か
- 山王病院は糞
自分の気持ちを理解してもらう事なんて無理
がんによるストレスへの心理反応というグラフがある。
告知された時には、ホントの意味でこの世の終わりという感覚を味わい、ホントの意味で何も手につかなくなった。
時間もあるので自分の中で考えたり、情報収集したりするとかなりのパニック状態になる。
親や奥さんにもわかってもらいたかったという思いはあったけど全然わかってもらえなかった。
「なんでもっと親身になってくれないんだ」
と思っていたけど、パニックが収まると
「わかってもらえるわけ無いじゃん」と思うようになった、だってがんになってないんだから。
この件だけではなくて、なんでわかってくれないのっていう事はよくあると思うけど、それを期待するのはやめにしようと思った。
後は自分の意思以外で周りに話されるのも結構堪えたが、これも同じく当人の苦しみを理解してもらうなんて無理なんだろうと思っている。
https://www.almediaweb.jp/news/ac20160422_01.html
原因なんて無くても誰もが簡単に不幸になる
原因は何?
よく仕事でミスったときなどに聞かれると思いますが、病気に関してはあまりこれだ!という原因はなくても起こってしまう。
ただ病気にかかったことのない人にとっては他意はなく原因を気にしたり問うたりすることがある。
そういう時に病気の人は自分が悪いのではないかと酷く傷がつく。
病気について、ただなんの気無しに問うということがどれだけ傷つくことか。
病気になったときに原因を探すより、前向きにじゃあどうしようかと思ったほうが良いし、他人にも良い悪いとかより問わないことが優しさなんだと思う。
生きてるうちにやるべき事って何か
がんになると死ぬと言うことを非常に意識してしまうのだけど、上のグラフにあるように最初はどうでも良くなってパニックになるんだけど、だんだんじゃあ生きてる間は何をしようかというふうに思考が変わってくる。
健康の時は金を稼いで贅沢したいと言うのが漠然とした思いだったけど、死ぬと言うのが前提にあるとそれもどうでも良くなる。
自分が思ったのは生物が生きるってのは、ほぼどの生物も種の保存が目的になってるのだから子供作って育てないとってのがまずやらないといけないことかなと思った。
がんになったからって即座に影響は無くて、精子凍結して不妊治療すれば子どもを授かれるということだったのでそうすることにした。
山王病院は糞
最後に完全に余談だけど不妊治療における山王病院の酷さを書いておく。
経緯
- 精子凍結、合計2回で試験管4本分だった。1回の診察で値段が決まるという説明を受けて年間20000円だった
- 1本使い残り試験管3本になる
- 1年後の更新のときに60000円の請求を受ける。試験管の本数分に値段が変わったと説明
- 2年後の更新の時に90000円の請求を受ける。値上げしたと説明を受ける
何が酷いかというとがん患者にとって精子凍結できるタイミングは治療前の瞬間だけ。
なので凍結した試験管は命そのものであり代替がきかない。
凍結精子の移送は使えなくなるリスクがあり現実的ではない。
そんな状況で値上げを説明されても引き受けざるを得なくて圧倒的に不公平な状況だった。
値上げの範囲も数パーセントとかではなく倍々ゲームである。
なんで不妊治療を受けるときは山王病院は気をつけたほうがいい。